清水港は静岡県のほぼ中心に位置し、かつては他府県から多くの釣り人が訪れる人気スポットでした。
しかし、現在はSOLAS条約(船舶の安全確保を目的とする国際条約)によって多くの釣り場が立入禁止となっています。
この記事では
- 清水港の釣り禁止エリア
- 釣り禁止になった理由
- 釣り禁止場所が増えている理由
についてご紹介します。
あたりまえですが、釣り禁止エリアで釣りをしてはいけません。
知らなかったでは済まされない場合もあるため、この記事を最後まで読んでどこが釣り禁止なのかを確認しておきましょう。
※この記事は、現地調査と清水港管理局や清水漁業共同組合に取材した内容を基に書いています。記事の内容は、調査当初・取材当初のものなので、最新の情報と異なっている場合があります。あらかじめご了承ください。
清水港の釣り禁止エリア一覧
清水港の代表的な釣り場の釣り禁止エリアをご紹介します。
※清水港の代表的な釣り場の大まかな釣り禁止エリアのご紹介となります。より詳細な釣り禁止エリアを知りたい方は現地で確認することをおすすめします。
1.興津埠頭
興津埠頭では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
①西側の赤いエリアは関係者以外立入禁止となっています。
②真ん中③東側も同様に関係者以外の立ち入りが禁止となっています。
看板には以下のように書かれています。
これより先、一般車両
立入禁止
港湾業務従事者以外は、
ここから先、立入を禁止します。
清水港管理局
2.袖師埠頭
袖師埠頭では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
黄色の範囲は投げ釣りやルアー釣りが禁止されています。
以下のように書かれています。
投げ釣り禁止
係留ロープ等に引っ掛かった投釣り・ルアーのつり針により、係留者の方々が怪我をする等、大変迷惑しております。
この付近での投釣り・ルアーを禁止します。
①西側は企業の施設となっているため入ることができません。
②真ん中も同様に立ち入りが禁止されています。
③東側は、柵がありそれ以上入ることができなくなっています。
3.江尻埠頭
江尻埠頭では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
①北側は、「岸壁の新設」を行っているため立ち入りが禁止されています。
また、北側の真っ赤な範囲は、港湾業務従事者以外立入禁止となっています。
②南側は、企業の施設となるため関係者以外の立ち入りが禁止されています。
看板には以下のように書かれています。
港湾業務従事者以外はここからさき
立入を禁止します
静岡県清水管理局
江尻埠頭の詳しい釣り場情報はこちらをご覧ください↓
4.日の出埠頭・ドリームプラザ前
日の出埠頭・ドリームプラザ前では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
①北側は、企業の施設のため立入禁止となっています。
②南側のフェリー乗り場付近は角を除く全ての範囲で立ち入りが禁止となっています。
5.巴川河口(鉄道岸壁)
巴川河口(鉄道岸壁)では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
①北側は、港湾関係者以外の立ち入りが禁止されています。
②南側は、フェンスがあり港湾業務者以外の進入が禁止されています。
巴川河口(鉄道岸壁)の詳しい釣り場情報はこちらをご覧ください↓
6.折戸・富士見埠頭
折戸・富士見埠頭では、以下の赤い範囲が立入禁止となっています。
①湾奥には「魚つり禁止 関係者以外立入禁止」の看板があります。
②係留所には「立入禁止」の看板があり、扉は空いていますが柵を超えて釣りはできません。
③防波堤付近には「立入禁止」の標識があります。
④排水溝付近はすぐ隣が企業の敷地となっているため、入ることができません。
清水港のほとんどが釣り禁止になった理由
清水港の多くの場所が釣り禁止になったのは、「SOLAS条約」によるものです。
SOLAS条約を簡単に言うと、「テロ対策で外航船が出入りする港で安全を確保をしよう」というものです。
清水港では、2004年7月1日から岸壁等の保安対策を強化し、清水港への出入りを一部制限しています。
「岸壁等の保安対策強化」によって、釣り場が制限されたということになります。
これは、世界中すべての重要な貿易港で保安対策が実施されており、港をお借りして釣りをしている我々は現実を受け入れるしかありません。
清水港の大部分はこの条約によって釣りができなくなりましたが、釣りができる場所もまだ残っています。 釣り禁止ではないエリアで釣りを楽しみましょう。
清水港周辺の釣り場情報
清水港周辺の釣り場情報をご紹介します。
江尻埠頭
先ほどもご紹介しましたが、「江尻埠頭(河岸の市前)」は釣り禁止エリアの多い清水港の中でも比較的釣りができる場所の広い釣り場です。
駐車場やトイレなどの設備が整っており、車を横付けして釣りができる場所があるため、家族連れでも釣りを楽しめます。
また、河岸の市という魚市場もあるため、新鮮な魚介類を買えたり、新鮮な魚料理を食べることもできます。
- タチウオ
- アジ・サバなどの小型回遊魚
- クロダイ
- キスなど
江尻埠頭の詳細情報はこちら↓
三保内海
三保内海は、清水港をぐるっと囲む三保半島のほぼ先端に位置する釣り場です。
駐車場やトイレなどの設備が整っており、内海なので比較的波も穏やかでのんびり釣りを楽しむことができます。
- 青物(ブリ・カンパチなど)
- タチウオ
- ヒラメ・マゴチ
- シーバス
- キスなど
三保内海の詳しい釣り場情報はこちら↓
釣り禁止エリアが増えている理由
清水港の釣り禁止場所が増えた理由はSOLAS条約という国際条約のため仕方ありません。
しかし、近年全国的に釣り禁止場所が増えていることをご存知でしょうか。
もちろんすべて釣り人に責任があるわけではありませんが、釣り人も決して無視できない問題となっています。
今一度釣り禁止エリアが増えている理由を確認しておきましょう。
1.ゴミの放置
釣り人によるゴミの放置問題は、釣り禁止エリアが増えている大きな要因のひとつです。
ルアーのゴミや仕掛けのゴミ、食べ物のゴミなどを釣り場に捨ててしまう釣り人がいるのが現実です。
ゴミが放置されると、周辺の景観が悪くなるだけではなく、悪臭が漂い周辺住民とトラブルになる可能性があります。
また、ハリが落ちていると誰かが足で踏んづけて怪我をするおそれもあります。
釣り人もそうじゃない人も気持ちよく過ごせるように、ゴミは必ず持ち帰りましょう!
静岡県沼津市にある「大瀬崎」では、ゴミの放置など釣り人のマナーが原因のひとつで釣り禁止になっています。
2.安全性の問題
安全性の問題も釣り禁止エリアが増えている大きな要因のひとつです。
堤防が崩れたり、フェンスがなかったりという安全性の問題もありますが、そもそもライフジャケットを着用せずに釣りをしている人がいるという問題があります。
もちろん、しっかり着用して釣りをしている方は問題ありません。
しかし、ライフジャケットを着用せずに釣りをしている方は危機感を覚えましょう。
海上保安庁が発表している[釣り中の海中転落事故におけるライフジャケットの着用状況別のデータ]はこちらです。 (引用:海上保安庁)
ご覧のとおり、ライフジャケットを着用していると生存率が約7割あるのに対して、ライフジャケット非着用時の生存率は5割を下回っています。
釣り中の万が一に備えるためにも、釣りをする際はライフジャケットを着用しましょう。
おすすめのライフジャケットはこちら↓
3.立入禁止・釣り禁止エリアへの侵入
立入禁止・釣り禁止場所への侵入がたびたびニュースで報じられています。
立入禁止・釣り禁止場所への侵入は絶対にしてはいけません。
現地に標識や張り紙がある場合は分かりやすいですが、釣り禁止なのかわからない場合は現地の人に聞くか、港湾事務局など港を管轄しているところに電話などで問い合わせましょう。
同じ静岡県の沼津市にある「静浦漁港」は現在関係者以外立入禁止となっています。
静浦漁港が釣り禁止の詳しい理由について知りたい方はこちらをご覧ください。
4.漁業関係者とのトラブル
漁業関係者とのトラブルも最近よく耳にします。
実際に今回の記事を書くにあたり、清水漁業協同組合に問い合わせましたが、やはり釣り人と漁業関係者のトラブルは少なからずあるようです。
例えば、漁で使用する網などにルアーなどが引っ掛かっていて、漁師さんがケガをするということがあったそうです。
漁港などはもともと漁師さんたちの仕事場で、釣り人はその場所をお借りして釣りをしているに過ぎません。
漁業関係者の邪魔にならないように釣りを楽しみましょう。
2022年には、静岡県西伊豆町の「田子漁港」が釣り人と漁業者とのドラブルが原因で一度釣り禁止になっています。
現在は、アプリを使って予約することで釣りができるようになりました。
田子漁港の釣り禁止の理由について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
5.迷惑駐車・違法駐車
迷惑駐車や違法駐車も釣り禁止エリアが増えている要因のひとつと言えます。
迷惑駐車や違法駐車も近隣住民や港の関係者などの邪魔となる可能性があるため絶対にやめましょう。
トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、駐車場などに車を停めるようにしましょう。
まとめ:ルールを守って釣りをしよう!
清水港は、現在SOLAS条約(船舶の安全確保を目的とする国際条約)によって多くの釣り場が立入禁止となっています。
しかし、完全に釣りをする場所がなくなったのではなく、一部の釣り場ではまだ釣りを楽しむことができます。
ゴミは持ち帰る、ライフジャケットを着用するなど釣り人としてあたりまえの行動をとって釣りを楽しみましょう。
※この記事の内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。